選択肢を残すということ

【選択肢を残すということ】

倉敷市真備町有井地区。
今日は社協ボラセンは、お休み。
僕らは、NPO旅商人連携21名7現場で活動しました。
3tダンプ、2tダンプ、軽トラ2台を使用した畳・家財などの災害ごみ搬出、小屋の撤去。

そしてお昼からは、片付け・復旧が大幅に遅れているお宅で活動。

家屋内には、基礎周りを中心に土砂。

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屋外敷地内には、家屋から出された大っっ量の災害ごみ。

電話でご主人に現状確認を取ったところ、
平日は仕事が忙しくて来られず、日曜のみ家の片付けをされてるとのこと。

電話で、今後の進め方を相談。

ご主人曰く『もう、2階まで浸かってるし全壊だし、おそらく解体すると思います』と。

解体するにしても、色んな思いが積まった家の最後。
当然、ある程度綺麗な状態にしてお別れしたい。
家の最後のお化粧。映画のおくりびと、的な感覚。
それに向け、床上の土砂と災害ごみ搬出の依頼。

このボランティア不足、解体が決定している家は派遣優先度はどうしても低くなるけれど、それも様々な状況次第で変わる。

『でもここ、まだ住めそうだよなあ』と思って現調していると、連日きていただいている大工のボランティア猪原さんが偶然合流。

『ちゃんと処置をすれば、住めるようになりますよ』と一言。

そこで、先日の講習会の際、再生建築 北山のキタさんが声を大にして仰られていた
『ほとんどの家は、ちゃんと処置をしてあげれば、住めるようになります!』
の声が蘇る。

大工・猪原さんに色々教えてもらいながら現調。
めっちゃ勉強になります。

今回の水害、全壊=解体というある種の洗脳というか
もう住めんわ〜立て壊す、という家が本当に多い。

もちろん最後に決めるのはご本人達。
だけど『手をかければ住めるようになる』ことを知らずに解体するのと、知っててそれでも色々な事情で解体するのとでは、全く違う。

そこで、お昼からの作業はあくまで、依頼された『解体に向けての掃除』を行った上で、『もしかして住めるのかも』って希望を見出してもらう、そこまで持っていけたら最高だと思った。

昼からの作業。炊き出しを中心に支援を続けているラコスバーガーの"ラッコさん"のご紹介で毎週来てくれているfrom香川のチーム『ジャミ』さん合流。頼りになる屈強な兄貴達。
そして他現場を終えた旅商人チーム@真備の仲間達が次々と合流。

普段、サテライトでマッチングを担当しているメンバーも、社協ボランティアさんのマッチングがない今日ならがっつり現場に入れる。
僕も現場の作業をあまり知らない状態でミニサテライトの運営をしていた過去があり、反面教師、現場経験がマッチングにも生きてくる。

最後は怒涛のほぼ全員投入、更には災害NGO結として活動するおーちゃんも合流し、凄まじい熱量に。
そんな中で繊細に書道の施されたナニカを復旧する佐賀から来たモエコ。実は学生時代に東日本大震災で遺品整理のボランティアの経験があるよう。激しい作業の中で、今日はお顔見えない家主さんのことを考えた繊細な作業が引き立ってました。ありがとう。

結局、大量にあった畳や家財などの災害ゴミは、8割方搬出。家屋内の土砂も綺麗に。

活動終了後、ご主人にお電話で今日の流れと、今後のことをご相談。

『ありがとうございます。実は忙しくてゆっくり考える時間がなく、もう半ばなげやりに解体にしようと思っていたところだったんです』
『ここに住めるなんて思ってもみなかったので、前向きに、色々と相談してみます』とのこと。

最終的にどうなるかはわからない。
もちろんご本人が決めること。
正直、解体する可能性が高いと思います。

だけど今日の皆んなの頑張りは、
『解体する家』を
『住むかもしれない家』に
変えたことは間違いない。

『住民さんに、なるべく多くの選択肢を与えて欲しい。』

先日の講習会で仰ったDRT JAPAN 黒沢さんの言葉の意味を、現場で改めて考えさせられた1日でした。

 

 

 

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